太古の昔、大地は毒蛇と猛獣に占領されていた。その中には「年」と言う一番大きな怪物が一番兇猛だった。
除夕(大晦日)の晩になるとあちらこちらで人間を食べていた。
ある地方の除夕の晩に一人の老人が訪れ、人々が家族を連れて慌てて逃げているのを見て驚き、近くのある若者に訪ねたところ、若者は除夕で「年」と言う怪物が人を食べることを告げ、早く逃げることを勧められた。
でも、老人は
「そう、年の奴はやりすぎおるな。わしは彼に人を食べないように説得するとしよう」
と言い残して山奥へ行った。
老人はやがて「年」の棲家に着き、人を食べないようにと説得したが、「年」は老人に食べさせてくれる為に来たのかと言い、口を開き老人を食べようとした。老人は「年」に
「お前は山上の毒蛇や獣を恐れているから人を食べるようになったか」
と言うと、年が
「簡単だ!」
と答え、一口で山の上の毒蛇や獣を全部食べてしまった。そして、「年」は老人に
「次はお前だ」
と言い、老人を食べようとした。老人は
「急かすなよ、服を脱いで食べさせるから…」
と言い、自分の服を脱ぎ始めた。最後に真っ赤な下着を出したところ、「年」は大声で
「俺は赤が一番駄目だ…」
と言い残し、山奥へ逃げた。
村人が老人の「年」退治法を見て啓示を得、それぞれの家に赤い紙を貼り、赤い服や靴を着用するようになった。
夜になって年が山から降りて人を食べようとする時に真っ赤な村を見て怖くなり遠ざかっていた。
その後、「年」は人間に近付かなかった。
それから、中国人は旧正月の時に赤い服や靴を着用し、壁やドアには赤い紙を貼るようになった。